サービスロボット向けリスクアセスメント手法の開発

(2012.4.2掲載)

技術経営研究科
システム安全系
木村哲也 准教授

サービスロボット安全規格ISO13482が2012年に発行を予定されており、そのリスクアセスメント(RA)の手法の開発は急務となっている。本研究では、既存国際安全規格の分析を踏まえ、 サービスロボットの多様性を見通し良く取り扱うRA手法を提案する。

  • リスクアセスメント
  • サービスロボット
  • 安全規格

図1.移動探査型
   レスキューロボット

用途:製品安全設計、PL訴訟対策、
   ユーザーとのリスクコミュニケーション
分野:製品安全全般、特にサービスロボット分野

今、日本では「サービスロボット産業」が拡大しています。製品化の段階で、国際安全規格を考慮した設計が必要で、機械製品の海外輸出を行っている企業の皆様は、ぜひ、ご一考ください。

研究内容の紹介
【1. 研究の背景】
 近年のロボット技術の発展を踏まえ、工場以外の一般社会で利用されるサービスロボットの産業化が期待されている。サービスロボットの産業化ではその安全性が重要であるが、サービスロボット安全に関する国際規格ISO 13482が2012年に発行が予定されるなど、現在、サービスロボット安全は国際安全規格に基づき整備が進められている。
 国際安全規格の求める安全ではリスクアセスメントがその基礎となるが、既存の産業ロボットや消費生活用製品と異なる多様性を内在するサービスロボットでは、その多様性から既存のリスクアセスメント手法では組み合わせ爆発による非効率化が懸念される。

【2.提案手法】
 本研究では、消費生活用製品の開発でしばしば用いられるペルソナ法[1]に着目し、サービスロボット向けリスクアセスメント手法の効率化を試みる。ペルソナ法は製品の使用者の多様な特性を単純化した「ペルソナ」として表現し、製品開発・使用に関わる多様なステイクフォルダ間で製品使用者特性の効率的な共通理解を図る手法である。ペルソナの構築には、使用者特性の記述の基盤となる「スケルトン」が用いられる。
 サービスロボットでは、使用環境とロボットの特性にも多様性を内包することから、「環境ペルソナ」と「ロボットペルソナ」の構築をここでは試みる。両ペルソナの構築で用いる「環境スケルトン」と「ロボットスケルトン」の導出には、関連法令・規格を参照することで、必要かつ十分な単純化を目指す。ペルソナの世界でリスクアセスメントを行う事で、組み合わせ爆発を回避でき、サービスロボットの効率的なリスクアセスメントが実施できると考えられる。本研究では、パーソナルモビリティロボットを例に取り、提案手法の有効性を検討する。
 ([1]経済産業省、消費生活用製品向けリスクアセスメントのハンドブック【第一版】)

図2.ペルソナ法に基づくサービスロボットリスクアセスメントの概要

〒940-2188 新潟県長岡市上富岡町1603-1 URL:http://www. nagaokaut.ac.jp/

まずは、テクノインキュベーションセンター(通称・NTIC(エヌティック))にご相談ください。
「NTICは産業界の皆さまのパートナー!!」をモットーに、リエゾン支援を行っており、コーディネーター等スタッフが丁寧に対応します。各種技術相談も随時受け付けています。
NTIC  http://ntic.nagaokaut.ac.jp/

※シーズ情報の問い合わせは事務担当まで
アクセスサイトマップ